冬の引越し、雪が降ったらどうなるの?
「引越し当日、もし大雪が降ったらどうしよう……」
「冬は料金が安いって聞くけど、荷物が濡れたりしないか心配」
12月から2月にかけての引越しを検討されているあなた、こんな不安を抱えていませんか?
実は、冬の引越しは「オフシーズン(繁忙期外)」にあたるため、年間で最も費用を抑えやすい時期の一つです。
しかし、そこには「雪」という厄介なハードルが存在します。
特に2024年の物流法改正以降、ドライバーの稼働時間が厳格化されたため、「雪による渋滞」が以前よりもスケジュール変更(延期)に直結しやすくなっています。
この記事では、数多くの引越し案件を見てきた私が、雪のシーズンの引越しで絶対にやっておくべき準備、トラブル回避術、そして雪に強い業者の選び方を、最新の事情を交えてわかりやすく解説します。
冬の引越しは「お得」だけど「リスクは大」メリット・デメリットを整理
まずは、冬に引越しをする際に知っておくべき基本的な特徴を整理しましょう。
【メリット】引越し料金が底値になるかも
通常、春(3月〜4月)は引越し料金がピーク時の2倍〜3倍に跳ね上がります。
対して、1月〜2月(特に平日)は業者のスケジュールに空きが出やすく、価格交渉が非常にしやすい時期です。
基本的に閑散期なので底値ですが、引越し業者が求める日時に合わせれれば更に安くなる可能性も。
ただし大雪によるイレギュラーで追加料金が発生する場合もあります。
- 相場の目安: 繁忙期の約30%〜50%OFFになることも。
- 予約の取りやすさ: 希望の日時を指定しやすい。
【デメリット】雪による「3つのリスク」
一方で、引越し当日に大雪が降ると以下のリスクが発生します。
- 遅延・中止のリスク: 高速道路の通行止めや大渋滞により、トラックが到着しない。
- 荷濡れ・汚れ: ダンボールが雪で濡れて底が抜けたり、新居の床が泥で汚れる。
- 寒さと乾燥: 開けっ放しの作業で室温が下がり、体調を崩しやすい。
過去の事例
以前、あるお客様から「雪でトラックが到着せず、退去日時に間に合わなくなりそうだった」という相談を受けました。大雪警報がでるレベルだと道路は間違いなく渋滞するのでトラックの運行は確実に遅れます。また最近は「計画運休」のように、引越し業者も安全優先で早めに中止を判断する傾向があります。冬の引越しは予め「予備日」を設けておくのが鉄則です。
【準備編】雪・寒さから荷物を守る!必須の対策リスト
冬季間の雪の日の引越しを成功させるには、夏場とは違う特別な準備が必要です。
ダンボールの「防水対策」は徹底的に
雪が降っていなくても、トラックの荷台は結露することがあります。
- ビニール袋の活用: 本や衣類などの濡れたら困る物は一度大きめのビニール袋(ゴミ袋でOK)に入れてからダンボールに詰める。
- 底面の補強: 雪解け水で地面が濡れている場合があるため、ダンボールの底はガムテープを「H貼り」または「十字貼り」にして強度を高める。
寒冷地へ行くなら「水抜き」を忘れるな
北海道や東北、北陸などの寒冷地へ引っ越す場合、または寒冷地から出る場合、もっとも重要なのが「水抜き(みずぬき)」です。
- 洗濯機: ホースの中に水が残っていると、輸送中に凍結して破損する可能性があります。必ず前日までに完全に水を抜いてください。
- ウォシュレット: 内部タンクの水抜きが必要です。
- 石油ストーブ: 灯油が入ったままでは運べません(消防法等の規定)。完全に空にするか、空焼きしてください
また運び先が寒い地域だった場合、暖房で暖めた湿度の高い新居に荷物を入れると荷物が一時的に結露します。
パソコンなどの結露に弱い精密機器機械の電源は必ず時間をおいてから入れてください。
新居・旧居まわりの「雪かき」は依頼者のマナーかつ努力義務
トラックを停めるスペースや、玄関までの導線に雪が積もっていると、作業員は「雪かき」から始めなければならず、追加料金が発生したり、時間が押して作業が終わらなくなる可能性があります。
ご自身で除雪作業が難しい場合は便利屋や除雪業者の利用も視野に入れてみてください。
- 駐車スペース: トラック(2トン〜4トン)が停まれる場所の除雪。
- 動線: 玄関から道路までの足元の確保。融雪剤を撒いておくと安心です。
【業者選定編】雪に強い引越し業者の選び方
「安ければどこでもいい」で選ぶと、冬の引越しは痛い目を見ます。
「雪道経験」が豊富な業者か確認する
大手業者は全国に支店があり、雪国への輸送ノウハウも豊富ですが、雪が少ない地域の地元業者の場合、スタッドレスタイヤを履いてないトラックできたり、雪道の運転に慣れていないドライバーが来る可能性があります。
見積もり時の質問テクニック:
- 「もし当日大雪になった場合、延期の判断はいつ連絡が来ますか?」
- 「雪による延期の場合、キャンセル料や延期手数料はどうなりますか?」
- ※標準引越運送約款では、天災(地震・台風・大雪など)による解約・延期にはキャンセル料はかかりません。しかし、解釈の齟齬を防ぐために確認が必要です。
地元の「地域密着型業者」も検討候補に
特に雪深い地域(北海道・東北・信越など)内での引越しの場合は、その土地の雪事情を知り尽くした地元の業者が圧倒的に強い場合があります。
運行ルートが通行止めになった場合の迂回ルートも熟知しています。
大手だけでなく、地元の優良業者も含めて相見積もりを取りましょう。
当日のトラブル回避!自分たちでできる工夫
引越し当日、引越し業者任せにせず、自分たちでできる対策を行うことでスムーズに進みます。
床の保護と雑巾の準備
雪や泥がついた靴で作業員が出入りします(彼らも養生はしますが、限界があります)。
- 捨ててもいいタオル・雑巾: 玄関先に多めに用意し、濡れた荷物をすぐに拭けるようにする。
- 新聞紙: 玄関のたたきに敷き詰めておくと、泥汚れを防げます。
ポットと暖房器具は「最後」にしまい「最初」に出す
これは私の経験上のアドバイスですが、荷ほどきで一番つらいのは「寒さ」です。
電気ケトルや小型のヒーターは、ダンボールの奥底にしまわず、「手持ち荷物(自分の車)」で運ぶか、すぐに取り出せるようにしておきましょう。
作業の合間に身体を温めれる、温かい飲み物が飲めるだけで、精神的な余裕が全く違います。
ご自身の確実な移動方法の確保
荷物の移動と同時にご自身の移動も考えなければなりません。
もし車で移動するのであれば必ず雪に対応した装備(冬タイヤ、冬ワイパー)に変更しましょう。
事前にルートの確認と距離とかかる時間の確認もしておきましょう。
結論:冬の引越しは「準備8割」 早めの準備で安心を!

冬の引越しは、雪というリスクさえ管理できれば、費用を大幅に抑えられる賢い選択です。
成功のポイントまとめ:
- スケジュール: 天候による延期を想定し、退去日ギリギリに設定しない。できれば候補日も何日か用意。
- 準備: ダンボールの防水、家電の水抜きを徹底する。
- 業者選び: できれば降雪地に所在している業者、または支店をもつ業者を選択する。同時に「雪天時のイレギュラー対応」を予約前に必ず確認する。
2025年以降、物流業界は人手不足でタイトなスケジュールで動いています。
引越し日に近くなって慌てて業者を探しても、対応してもらえない可能性が高いです。
まずは、「雪に強い引越し業者」で見積もりを取り、冬の引越しの注意点やキャンセル規定について問い合わせてみましょう。
余裕を持った行動が、あなたの新生活を素晴らしいものにします。
ご拝読ありがとう御座いました。

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