サカイ引越しセンターに労働組合発足
サカイさんに労働組合ができました。
引越し会社に労働組合ができるのは珍しい事です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
なぜ労働組合ができたのか?
上に貼った記事でも書いてますが『給料が低い』ことがキッカケだったようですね。
まあ、給料の不満はどこの会社にいてもある事だと思いますが、時給換算したところなんとその地域の最低賃金を下回っていたそうです。
引越し屋がスーパーのレジ打ちのおばちゃんより時給単価が安いのです。
『最低賃金以下』という認識しながら引越し作業なんてやってられません。
引越し作業は誰もが簡単にできる作業ではありません。ある程度の経験と体力が必要な重労働です。
たぶん求人誌に掲載されてる職種の重労働ベスト3には入ると思います。
また基本給が8万円で、プラスアルファの手当も不明瞭だったことが会社に対して不信感を持つキッカケだったようですね。
たぶん地元業者のほうが払いは良いですね。
過労死レベルの残業
繁忙期の残業が月に120〜160時間あったそうです。
1項 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。引用:労働基準法32条
労働基準法ではこのようになっております。
月に約25日出勤だとしたら、1日平均4〜5時間の残業になり、週で約72時間の労働になりますね。
週40時間なんてはるかにオーバーしてるので違法に働かしてる事になります。
月におおむね80時間以上時間外労働をすると過労死のリスクが高まると言われてますので、常に120〜160時間も時間外労働してたら、いつ死んでもおかしくない状況です。
私自身は感覚が麻痺してるので、この労働時間ついては「引越し業界なら当たり前の環境かな」思ってます。
時期商売なので仕事がある時に稼がなきゃならないので、どこの引越し会社も似たようなもんですね。
農業、漁業関係の人達もそうなんじゃないでしょうか。
パワハラ行為
これも引越し業界では昔からある事ですね。
血の気の多い人間がたくさんいるのでなかなか無くなりません。
私も若い頃はキツイ言葉や暴力はそれなりに受けてきました。
当時、冷蔵庫の微調整してる時に私のケツを蹴り上げてたあのパワハラオヤジは未だに忘れる事ができません。
そいつは今は年金受給しているいいおっさんです。
知人を介して久しぶりに会う話が出たのですが、相手は当時の事(私にパワハラしてた事)をとても気にされてるようでしたので再会は実現できませんでしたが(笑)
人に恨まれることはしないほうが良いですね。
荷物破損の個人賠償
これもサカイさんに限らず引越し業界ではよくある事です。
作業員がお客さんの荷物を壊したら、その作業員が弁償する昔からあるシステムです。
個人賠償は最近は少なくなってきてますが、少ない賠償金だとチームリーダーの給料から天引きされるケースは未だあるようです。
作業員の責任感や緊張感を持たす目的って事であれば絶大に効果がありますが、会社としてみたらアウトなシステムですね。
制服の個人負担
サカイさんの制服代が給料から天引きされてたようですね。
これに関しては法外な値段でなければ、別に良いんじゃないかなと個人的には思います。
基本的に人の出入りの激しい業界なので、いちいち無料で支給してたら経営を圧迫する事になるので、給料そのものが低くなる可能性があります。
組合ができたらどう変わるか?
労働環境は良くなるはずです。
- 正しい労務環境
- 正しい給料体系
この2点は間違いなく正しい方向に変わると思います。給料の時間単価は上がるかもしれませんが総支給は下がるでしょう。
この2点変えただけでも会社の経営は悪い方向に変わります。
- 労務厳守による売上の減少
- 正規雇用増加による人件費の増加
経営を圧迫させます。
東証一部上場のサカイさんの資本力があっても苦しくなるかなと思います。
投資家もその辺を懸念してか組合発足後から株価が下がってきてますね。
引越し業界に長くいる人間から言わせてもらうと、引越し会社と労働組合の共存はめちゃめちゃ相性が悪いです。
お互い潰し合いになります。現在なら会社側のほうが分が悪いですかね。
その潰し合いを回避するには『引越し料金の単価を上げる』しかありません。
このご時世にそんな事は許されないですよね。ぼったくり業者として世間から叩かれまくります。
見渡せばまさに八方塞がりです。
私がサカイの経営者の立場なら引退を考えるレベルの状況ですね。
最後に
労働組合を作ったメンバーは入社間もない20代の若者達です。
引越しに従事する労働者の地位向上を目的とした素晴らしい行動だと思います。
本当に引越しの仕事が好きなんだなと思います。
今の時代は個人の主張が簡単に世界に発信できたり、労働者の環境をバックアップしてくれる強力な組織があり、労務関係に力を入れてる弁護士も増えてきてるので、ある程度の目的は達成できるはずです。
ですが、労働組合が強くなればなるほど引越し会社は必ず衰退していきます。
会社が衰退してしまえば、顔と名前をだし、人生をかけて行動した労力に見合わない結果に繋がります。
私が若くてもしその立場にいたら、古い仕組みができあがってしまってる巨大な組織に人生をかけて立ち向かうよりも、自分の思う理想の新会社を設立するという方法を選びます。
そのほうが楽だしなによりやり甲斐があります。
ベクトルをサカイの為ではなく、お客さんの為に労力を使ったほうがモチベーションを保てると思います。
会社設立のリスクを取りたくないのであれば、今にも潰れそうな引越屋に就職して偉くなれば理想への近道になると思います。
今回の労働組合発足は引越し業界全体に波及する行動になってるかと思います。
今回取り上げたサカイさんのブラックな部分はなにもサカイさんだけの話ではありません。
ぶっちゃけるとどこの引越し会社も普通にある事です。
業界で昔からある常識の「人は使い捨て」の時代はもう終わりなのかもしれないですね。
最後にどーでも良いことですがこのダンボールの持ち方間違ってますよ↓
コメント